【アルバム】Avril Lavigne『Head Above Water』全曲レビュー

アルバムレビュー

アヴリル・ラヴィーンの6thアルバム『ヘッド・アバーヴ・ウォーター』を、全曲レビューしていきます。

6th Album 『Head Above Water』

前作から実に5年の時を経てリリースされたスタジオ・アルバム。

この5年の間に、アヴリルはライム病という難病にかかり、生死の境をさまよったという。

そこから奇跡の復活をとげて完成したのが、この『ヘッド・アバーヴ・ウォーター』。

闘病中の辛い、苦しい気持ちや、生きることへの祈りなどが込められている。

『Head Above Water』はどんなアルバム?

『ヘッド・アバーヴ・ウォーター』を言葉であらわすと

落ち着いた、大人っぽい、雄大な、ソウルフル。

生死の境をさまよったアヴリルが、またひとつ、大きな成長をとげ、新たな音楽性を見出した作品になっている。

収録曲のほとんどがミドル〜ローテンポのバラードで、おなじみのロックバラードのほか、ソウルを思わせるナンバーもちらほら。

アヴリルの歌い方も、とても色気と深みのある声になっていて非常に落ち着く。

やっぱりアヴリルって、バラードソングがとても上手いな、と再認識。

ジャケットについて

ジャケットはモノクロ仕様で、これまた落ち着いたイメージ。

そしてヌードをギターで隠すというわりとありがちセクシーショット。

ヌードに包帯グルグル巻きで水の中、の方がロック風なカッコよさもあっていいんじゃないかと思ったけど、

おそらくギターを持っているのは、また音楽ができる、という喜びと

音楽が私のアイデンティティという決意をあらわしたアートワークなのだろう。

『Head Above Water』全曲レビュー

それでは一曲ずつレビュー。特に気に入った曲には★をつけています。

Head Above Water

雄大で力強いロックバラード。一曲目にふさわしく、新たなはじまりを感じさせてくれる。

アヴリルがライム病の闘病中、寝たきりの状態でインスピレーションを得た曲。

広大な海を、たった一人さまよう自分。まさに溺れるか溺れないかの瀬戸際で、一歩間違えれば死が待っている。

すがるような思いで、神にこう祈る。

神様お願い、溺れさせないで。わたしの顔を水面より上(head above water)に出せる力をください。

必死に生きようとする思いがなんとも痛々しい。

オリジナルも良いが、ウィー・ザ・キングスのトラヴィス・クラークとコラボしたバージョンがおすすめ。

Head Above Water ft. Travis Clark of We The King’s

Birdie ★

Avril Lavigne – Birdie (Audio)

「Head Above Water」から続いてパワフルでエモーショナルな一曲。

Birdieは小鳥ちゃんという、鳥を可愛らしく言うときの表現。

小鳥ちゃん、とカゴの中で飼われるよりも、自由に羽ばたいて生きたいわ、という曲。

ラストのサビからアウトロにかけての展開が『Under My Skin』の頃のロックな雰囲気を思い起こさせる。

『Under My Skin』とても好きだから、グッとくるんだよなぁ。

I Fell In Love With The Devil

Avril Lavigne – I Fell In Love With The Devil (Official Video)

ピアノベースのバラードナンバー。

一緒にいるのはよくない気がするけれど、なぜか離れられない。そして逃げなきゃと思ったときにはもう手遅れ…。

悪魔、とまではいかないけど、悪い男ほど魅力的とはよく言ったものだよね。

PVも悪魔意識なのかちょっとゴシック風。ピアノシーンで常時カメラ目線なのが気になる。

Tell Me It’s Over

Avril Lavigne 『Tell Me It's Over (Official Video)』

がっつりR&Bに寄せたソウルフルな一曲。

ここまでの3曲でちょっとずつソウル要素を出しつつ、この「Tell Me It’s Over」で一気に昇華するアルバム構成、うまい。

深みのある低音、ハリのある高音と、アヴリルの歌声もこの雄大な曲とマッチしてて心地よい。

しいていえば、高音にもうちょっと伸びがあるといいかな、ちょっと無理してる感が否めない。

Dumb Blonde(feat. Nickie Minaj) ★

Avril Lavigne feat. Nicki Minaj – Dumb Blonde (Lyric Video)

アルバム唯一のアップテンポ・ナンバー。ニッキー・ミナージュとのコラボ。

Dumb Blondeとは、ブロンドのバカ女という意味。

金髪女=頭悪いという、アメリカ社会にはびこる偏見のことらしい。まあ日本でも金髪は社会的にいいイメージないけど。

バカにされても、しょうもない偏見を受けても、自分は強い人間なんだって自信を持って!という応援ソング。

「Dumb Blonde」という曲自体はとてもアガル曲で、ノリもよくて好きなのだが

アルバム全体の大人っぽい雰囲気を考えると、どうしてもこの曲だけちょっと浮いている気がする。無理にアップナンバー入れる必要ないのにな。

It Was In Me

2010年発表の「Alice」を彷彿とさせるバラード。温かく包みこむ曲展開が心地よい。

いつだって、答えは自分の中にある。

他人に振り回されず、自分と向き合ってみて、と勇気づけられる歌詞もグッド。

Souvenir

ひと夏の恋を惜しむ気持ちをカジュアルに歌った曲。

期間は短いかもしれないけど、そういう恋に限って、いつまでも心に残ったりするよね。

Souvenirっててっきりお土産の意味だと思ってたけど、思い出っていう意味もあるんだ。勉強。

Crush

「Tell Me It’s Over」とはまた違った、ムーディーな雰囲気のソウルナンバー。

とても好きな人ができたのに、過去の恋愛のトラウマでどうしても踏み出せない気持ちをあらわした曲。

新しい恋に夢中になれない気持ちを、いままでのアヴリルにない、ソウルチックに歌い上げるこの構図。

本当は、新しい恋に踏み出す方がいいって自分でも分かってるんじゃないかな、と深読みしてみたり。

Goddess ★

Avril Lavigne – Goddess (Audio)

アコースティックなラブソング。

アヴリルのデビューアルバム『Let Go』の「Why」がとても好きなので、どこか似た雰囲気を感じるこの「Goddess」も好き。

歌詞も「Why」との比較になっちゃうけど、ひたすら、わたしたちずっと一緒だよね?とメンヘラのように聞きまくってた「Why」と違い

ありのままを受け入れてくれるあなたを待ってたわ、と安堵を感じる「Goddess」。アヴリル成長したなってしみじみしちゃう。

Bigger Wow

アヴリルには珍しいテンポの曲。

「Bigger Wow」とは見たまんまの意味で大きなワオ(驚き)ってこと。

今がつまらないって思う人は、もっと大きな驚きを探しに出かけましょ!と呼びかけるチアフルソングだったりする。

曲の最後のWowがなかなか意味深。どんな気持ちで言ったんだろ。

Love Me Insane

「Souvenir」に続き、2曲目のイントロイェイイェイソング。この曲はサビもだいたいイェイイェイ。

アヴリル曰く、怖がらずにもう一度恋愛することを歌った歌らしいけど

Love Meだから、まず他人より自分を愛しましょって言い聞かせてるのかなと思っちゃった。

自分を愛することで、自然とまわりからも愛されるよ、みたいなね。

2度の離婚を経たアヴリルが言ってると思うとなんか言葉が重いよ…。

Warrior

「Head Above Water」と同じく、病気と闘う気持ちを表現した曲。

曲の雰囲気はよく似てるけど、「Head Above Water」が生きることへの切なる祈りだったのに対し、

「Warrior」はタイトルのとおり、自らの意志で生きていくという強い闘志が感じられる。

「Head Above Water」にはじまり「Warrior」で終わるこのアルバム構成、上手いな〜。

『Head Above Water』まとめ

闘病を経て、アヴリル・ラヴィーンの音楽性に新たな可能性を感じさせる「Head Above Water」。

3rdアルバム以降の方向性が好きでなかっただけあって、あまり期待はしていなかったけど

その期待を大幅に上回る、カッコいい作品に仕上がっている。

アヴリルのミュージシャン生活の中で、大きな転換となる代表作になるはず。

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